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左折巻き込みはなぜ起きる?原因と防止法を徹底解説

東海クラリオン株式会社

東海クラリオン株式会社

左折時の「巻き込み事故」は、物流・運送業界や建設現場において深刻な事故のひとつです。特に大型トラックやトレーラー、建設車両は車体が大きく、死角や内輪差が広いため、ドライバーの注意だけでは防ぎきれないケースもあります。

万一事故が発生すれば、人命に関わる重大事案となるだけでなく、企業の社会的信用や取引先との関係、事業継続にも大きな影響を及ぼします。

本記事では、左折巻き込み事故の原因と防止策を分かりやすく整理し、現場で実践できる具体的な対策を解説しました。

左折巻き込み事故とは?業界で深刻視される理由

左折巻き込み事故とは、左折しようとする車両と、自転車・バイク・歩行者が接触する事故を指します。

特に大型車両では、運転席から見えない死角や、タイヤの内輪差によって左後輪付近に人や車両が巻き込まれやすい構造的リスクがあります。

物流・運送・建設業では、左折巻き込み事故は社会的信用を失墜させる要因のひとつです。

重大事故を起こせば行政指導や業務停止、取引先からの契約解除などの事業継続の有無にも直結します。そのため、左折巻き込みは企業にとって防止するのが望ましい課題として深刻化されています。

左折巻き込み事故が起こる主な原因

左折巻き込み事故が起こる主な原因は、以下のとおりです。

典型的な事故パターン(自転車・バイク・歩行者)

現場でよく起こりうる左折巻き込み事故には、いくつか典型的なパターンがあります。

ドライバーや安全管理者が「そうそう、あるある」と共感できる事例を押さえておけば、危険予知の精度が高まります。

自転車との接触

左折巻き込み事故によくある原因が、自転車との巻き込み事故です。幹線道路では自転車が車道左端を直進してくることが多く、特に夕方の帰宅時間帯は通学中の学生や通勤者が増えるため運転には注意が必要です。

ドライバーが交差点手前で減速していると、自転車側が「先に行ける」と思い、加速してくるケースもあります。結果、左折開始とほぼ同時に車両左側に入り込まれ、左折巻き込み事故が発生します。

バイクとの接触

渋滞時や信号待ちでは、二輪車が車両の左側をすり抜ける行動をとることが多く、左折巻き込みのリスクが高まります。

特に小型バイクは音も静かで接近に気づきにくく、ミラーだけでは視認が難しいのが実情です

左折時に突然バイクが左横に現れるとドライバーは驚き、急ブレーキを踏んだ結果、後続車との追突事故が二次的に発生する可能性も考えられます。

歩行者との接触

歩行者との接触は、横断歩道の手前で歩行者に気づかず、巻き込むケースが大半です。夜間や雨天時は歩行者の存在を見落としやすく、特に大型車両では運転席の位置が高いため、歩行者が車両前方近くにいると死角に入りやすくなります。大型車両の運転手は歩行者が横断を開始しているのに気づかず、左折を始めてしまう可能性が高まります。

歩行者との巻き込み事故は、ほんの数秒の判断遅れや確認不足が事故の原因になり得る点に注意が必要です。経験や技能の高いベテランドライバーでも発生しうるため、常に「起こり得る」と想定し、慎重な運転が求められます。

死角と内輪差による見落とし

大型車両には構造上、避けられない死角が存在します。運転席が高い位置にあるため、左前方の近距離や左側面の後方はミラーだけでは確認しづらく、そこに自転車や歩行者が入ると完全に見えなくなる場合があります。

さらに、内輪差の問題も深刻です。左折時、後輪は前輪よりも内側を通るため、交差点の縁石に近い位置を走ると、車体後部が大きく内側に切れ込みます。この動きはドライバーの感覚以上に大きいため、自転車や歩行者が歩道付近で待機していると接触リスクが高くなります。

特にトレーラーや建設車両などホイールベースが長い車両では、この内輪差が数十センチから1メートル近くに及ぶ点には注意が必要です。

死角と内輪差が重なると、ドライバーが「誰もいない」と思い、左折を開始した瞬間に死角内にいた人を巻き込む危険が生じます。これが左折巻き込み事故でよくある典型的かつ重大な要因です。

合図の遅れ・確認不足とヒューマンエラー

人間の注意力には限界があり、どれだけ注意深く運転していてもヒューマンエラーは起こり得ます。左折ウインカーの点灯が遅れれば、後方の自転車やバイクは「直進できる」と誤認し、左側に進入してきます。

また、忙しい配送スケジュールや現場の時間的プレッシャーから、バックミラーやサイドミラーでの確認が不十分になりがちです。さらに、ドライバーがその道や交差点に慣れているほど確認不足が生じやすくなります。

「ここはいつも人が少ないから大丈夫だろう」という思い込みは、危険を見落とす原因になります。経験豊富なベテランドライバーほど、確認不足や視線の固定化などの油断が出やすい点にも注意が必要です。

ヒューマンエラーをゼロにはできませんが、手順のルーチン化や危険予知トレーニングの継続など対策でリスクの最小化は可能です。

防止のために現場で徹底すべき対策

左折巻き込み防止のため、現場で徹底すべき対策について確認しましょう。

運転者が実践すべき安全確認・運転ポイント

左折巻き込み防止の第一歩は、ドライバー自身の行動改善です。具体的な改善項目は以下のとおりです。

改善項目

具体例
左折前の一時停止 交差点に入る前に一度完全停止し、左後方・左前方をしっかり確認
後方確認の徹底 ミラーだけでなく、必要に応じて目視確認を実施
巻き込み確認手順のルーチン化  「ウインカー → ミラー確認 → 徐行 → 巻き込み確認 → 左折」と一連の動作を習慣化

ドライバーが危機感を持って行動すれば、巻き込み事故の可能性は減らせます。

車両側で導入したい装備・最新技術

左折時の巻き込み事故を防ぐなら、設備面での補強も有効です。最近では以下のような装備が普及しています。

装備項目 説明
死角検知カメラ・センサー 車両左側に接近した自転車や歩行者を検知して警告
補助ミラーの追加 ドライバーの視界を広げ、死角の減少が可能
警報装置 左折時に接近者がいるとブザーで警告

大型トラックやトレーラー、建設車両における安全支援機器は後付けも可能です。

特に最新の「A-CAM3」は高精度の人物認識で誤警報を減らし、ドライバー負荷を軽減します。

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現場全体での取り組み(安全教育・指導)

左折巻き込み事故を防ぐためには、ドライバー個人だけでなく事業所全体での安全教育が不可欠です。

教育項目 説明
新人教育 入社時研修で左折巻き込みの危険性を体験型で教育
ヒヤリハット事例共有 現場で起きたヒヤリとした事例を定期的に共有し、全員で学習
安全ミーティングの実施 継続的な意識向上を目的に月次で安全目標や改善策を確認

教育やミーティングで継続的な事故の防止活動を実施しましょう。

事故発生時の対応とリスクマネジメント

事故が発生した場合の対応と、リスクマネジメントについても確認しておきましょう

初動対応と報告体制

万一事故が発生した場合は、初動が重要です。具体的な対応の流れは以下のとおりです。

1.    人命救助が最優先でまず負傷者の救護と救急要請する
2.    警察に通報して必ず事故として届け出る
3.    社内・保険会社に連絡して決められた報告ルートに沿った迅速な報告をする

初動対応が遅れると人命が関わったり、社会的信用を失ったりするリスクがあります。

正しい対応を実施するためにも、この流れをマニュアル化してドライバーが迷わず動けるようにしておくのがおすすめです。

再発防止に向けたフィードバックの仕組み

万一左折巻き込み事故が発生した場合は、原因を明確にし、教育や車両改善に反映させることが再発防止につながります。事故後はドライブレコーダー映像や現場状況を確認し、運転操作・周囲環境・車両装備など、多角的に原因を分析しましょう。

分析結果は社内の安全会議で共有し、同様の事故が起きないよう運転手教育に落とし込みます。例えば左折前の確認不足が原因であれば、チェックリストや指差し呼称の徹底化、手順を標準化するなどの対応が考えられます。車両側の課題が見つかれば、補助ミラーや死角検知カメラの導入といった改善も有効です。

あわせて、事故発生場所やヒヤリハット地点を「危険箇所マップ」として更新し、全ドライバーが事前に把握するためにも、社内共有が重要です。これらの情報を定期的に見直すことで、安全意識を継続的に高め、同じ原因による事故の再発を防ぐ仕組みが構築できます。

まとめ|左折巻き込みを防ぐには「確認+装備+教育」が重要

左折巻き込み事故は、構造的な死角と人間の注意力の限界が重なって発生します。事故防止のためには、ドライバーによる徹底した確認、車両への安全装備導入、そして現場全体での教育と共有が不可欠です。

例えば最新の安全支援機器の「A-CAM3」を活用することでヒューマンエラーを補い、事故リスクを下げられます。

できる対策をひとつずつ積み重ね、企業と社会を守る安全な現場づくりを進めていきましょう。

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東海クラリオン株式会社
執筆者:東海クラリオン株式会社

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