車両の死角を減らす技術やデバイスについての最新情報 | 東海クラリオン 株式会社 | 企業 法人 車載機器の専門商社 愛知 名古屋 三重 津 岐阜

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車両の死角を減らす技術やデバイスについての最新情報

大型車両を運転する際には、運転席から見える範囲に限りがあり、どうしても死角が生じてしまいます。そのため、死角が原因となる事故はなかなか減りません。特に、巻き込み事故や接触事故は、ドライバーの経験や技術に関係なく起こる可能性があるでしょう。こうした課題を解決するため、最近では死角を検知する先進技術や、後から取り付けられる安全装置が注目されています。

本記事では、車体の死角を減らす技術やデバイスについてご紹介するとともに、東海クラリオンが提供する「A-CAM」の特徴や導入によるメリット、実際の現場での活用方法まで、詳しくご紹介します。

1. 車両運転時の死角と事故リスク

大型車両や建設機械のようにボディサイズが大きく、運転席の位置が高い車両では、前方・側方・後方に大きな死角が発生します。これらの死角は、地面近くを移動する歩行者や自転車を見落としやすく、特に交差点や狭路での右左折時に接触や巻き込み事故の原因となります。

たとえば、左折時の巻き込み事故は日本国内でも数多く報告されており、特にトラックやバス、建設車両などでは深刻な事故につながりやすい傾向です。

2023年に発表された全日本トラック協会の資料によると、死亡・重傷事故において、ドライバーの経験年数を問わず発生していることが明らかになりました。属人的な注意力だけでは十分な対策が難しいと言わざるを得ません。

このような背景から、運転席からの直接視認だけに頼らず、死角を補う外部装置の導入が強く求められています。モニターやセンサーなどを活用することで、安全運転のサポートができる環境を速やかに整えることが課題になっています。

※参考:2023年発表 令和4年(2022年)の交通事故統計分析結果【確定版(車籍別)死亡・重傷事故編】

2. 死角検知技術の種類と特徴

①ブラインドスポットモニタリング(BSM)/後側方車両検知(BSW)

BSM(Blind Spot Monitoring)やBSW(Blind Spot Warning)は、主に乗用車やSUVに搭載される運転支援システムです。車速が一定以上(おおむね15km/h)で走行中に、ミリ波レーダーなどを使って隣接車線の後方から接近する車両を検知します。そして、ドアミラー付近のインジケータの点灯や点滅や警報音でドライバーに注意を促します。これらのシステムは、車線変更時の接触事故リスク減少が目的であり、あくまで「車両」を対象とした後側方の警戒支援に特化した技術と言えるでしょう。

②ミリ波レーダー

波長1mm~10mmのミリ波を使用し、対象物との距離、速度、角度を高精度に測定するセンサー技術のことです。雨や霧などの悪天候に強く、長距離検知が可能であり、電波の反射率が低い物体の検出が苦手という特徴があります。ADAS(先進運転支援システム)や自動運転、ヘルスケア、見守りセンサーなど幅広い分野で活用されています。

③超音波センサー

自動車の超音波センサーとは、超音波を発信し、障害物からの反射波が戻るまでの時間から物体の位置や距離を測定するセンサーです。主に、バックソナーやクリアランスソナー、自動駐車支援システムなどで活用され、衝突回避のための警告音や表示でドライバーを支援します。

④巻き込み警報カメラシステム

東海クラリオンの「A-CAM」は、車両の左側の巻き込みリスクエリアを常時監視するAI搭載カメラシステムです。歩行者やバイク、自動車などの識別を行い、危険が近づいたときには、インジケータと警告音でドライバーに知らせます。

警告は、インジケータの点灯や点滅による「目で見える」知らせ、警告音による「耳で聞こえる」注意、そしてAIによる直感的な判断という3つの方法で行われます。そのため、従来のミラーや人間の注意力だけでは防ぎきれなかった巻き込み事故を、より確実に防ぐための強力なサポートとなっているのです。

3. 「A-CAM」による死角検知と事故防止

前段でご紹介した「A-CAM」は誤検知を最小限にするためにAIを搭載しています。ここでは、その特徴をご紹介します。

①AI搭載による安全性

左折時の見落としは依然として大きな課題です。大型トラックの巻き込み事故は、こうした左折時の見落としから発生しています。ドライバーは、前後左右に注意を払う必要があり、危険回避ができないこともあります。

「A-CAM」は、誤検知を最小限にするためにAIを搭載しました。歩行者やバイク(自転車)・自動車などを見分け、危険度別にインジケータとブザー音でドライバーに知らせます。

②高精度、広範囲で検知

車両の最前端から前方3m後方15m、車体左側の最外側から左方5mという広範囲を検知します。危険エリア(赤)はインジケータに加えてブザー音で知らせてくれます。また、左ウィンカー作動時のみブザー音が発するため、危険度が比較的高い左折シーンに活躍してくれるでしょう。

③モニター接続で視野が広がり確認できる

ベテランドライバーでも、目視だけでの安全確認は不安です。ミラーだけでは見えにくい部分も、モニターで確認できることも安心につながります(モニターはオプションです)。

関連情報:巻き込み警報カメラシステム「A-CAM」

4. 死角検知技術の導入メリットと現場活用事例

①事故削減と保険料軽減

死角検知装置の導入により、巻き込みや接触といった事故の発生件数が減少した場合、修理費用や損害賠償といった直接的なコストの抑制につながるでしょう。また、保険会社における事故率の低下評価によって、保険料率の見直しや割引適用の対象となる可能性もあります。

こうした取り組みは、全体の車両管理コストの最適化に貢献すると同時に、安全への投資として社内外からの評価向上にもつながります。荷主や発注元との取引において、リスク管理能力の高さを示す要素になるでしょう。

②ドライバーの安心感向上

死角検知技術の導入は、ドライバーの心理的負担を軽減し、安全運転への集中力を高める効果があります。特に歩行者や自転車との接触リスクが高い場所では、装置によるサポートが心の余裕を生み、落ち着いた運転につながります。

また、運転に不慣れな新人や若手ドライバーにとっても心強い存在となり、早期戦力化や業務への定着を後押しするでしょう。加えて、検知結果を活用した指導や研修により、実際の運行状況に即した安全教育が可能となり、育成効果の高い現場ツールとしても期待されています。

③現場活用事例

トレーラー運送業を手がける村山運送株式会社様では、「A-CAM」(トレーラー用巻き込み警報カメラシステム)を12台の車両に導入し、死角と接触事故のリスクを積極的に低減しています。

導入前の課題と背景
トレーラーによる海上コンテナの輸送では、後方部への安全機器設置が難しく、ドライバーの視認に頼るしかない状況でした。実際、湾岸道路走行中にバイクや自転車との接触寸前となる「ヒヤリハット」の事例も報告されており、安全対策の強化が必要でした。

選定理由
村山運送株式会社様が「A-CAM」を選んだ理由は、歩行者・自転車・自動車といった「形(かたち)」の異なる対象物をAIで識別して警告できる点にあります。特に超広角レンズ搭載によるモニターでの後方約20mの視認性と、移動体の追尾表示機能が高く評価されました。これによりドライバーは、視覚的確認を通じて事故リスクに対処しやすくなると実感しています。同社で装備されるミリ波レーダーでは誤検知が多く、死角の「見える化」にも限界がある状況でした。

導入効果
「A-CAM」導入後、半年間の後突事故はゼロを達成し、死角の「見える化」によりドライバーの認識力が向上しました。夜間や雨天時の視認性も安定し、警告によって接触回避できた事例も報告されています。導入前は過去一年間に5件の後突事故が発生していましたが、「A-CAM」導入後の半年間はゼロ件にまで改善されました。安全運行の質が全体的に底上げされ、現場からも高い評価が寄せられています。

まとめ

巻き込み事故や接触事故といった車両周囲の死角に起因する事故は、ベテランドライバーでも完全に防ぐことが難しい課題です。しかし、AI搭載カメラシステムを活用した死角検知装置の登場により、これまで見落とされていたリスクの可視化が可能になります。

「A-CAM」のように後付け可能なタイプにより、既存の車両にも柔軟に導入できるため、物流業界や建設業界などの現場でも即戦力として活用できるでしょう。企業の安全対策を一歩先へ進めるためにも、こうした先進技術の導入は、非常に有効な選択肢です。

ここでご紹介した「A-CAM」について、以下にカタログダウンロードをご紹介しました。まずは、お気軽に以下からお問い合わせください。

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