近年は新車だけでなく、中古車や社用車でもバックカメラが標準的に搭載されるようになりました。一方で、「後付けバックカメラを取り付けたら車検に通らなかった」という声も目立ちます。
実は、バックカメラそのものが違法というわけではありません。問題になるのは、“取り付け位置”や“配線処理”などが保安基準に抵触してしまうケースです。本記事では、車検で不適合となりやすいポイントや正しい知識を整理しつつ、安全性と法規を両立するバックカメラの扱い方を解説します。
バックカメラは車検に通らないことがある?知っておきたい基本
バックカメラは多くの場合で車検に通りますが、設置方法によっては保安基準に抵触し、不適合となることがあります。
特に近年は、後方確認装置に関する法律が整備されており、対象車両では装置型式指定を受けたシステムのみが認められます。まずはバックカメラがどのように法律上扱われ、どこが問題になりやすいのかを理解することが重要です。
取り付けによっては不適合となるケースがある
バックカメラは「後写鏡等」の付属装置として扱われ、道路運送車両の保安基準に適合していることが前提となります。特に注意しておきたいのは、2022年以降に義務化された『後退時車両直後確認装置(保安基準第44条の2)』です。
この義務化対象車両にカメラを追加する場合、装置型式指定を取得したシステムのみが使用可能で、非対象製品を取り付けると車検で不適合となる可能性があります。後付けであっても、装置全体が法的要件を満たすかを必ず確認する必要があります。
保安基準で問題となりやすいポイント
バックカメラが車検で指摘される理由は、ナンバープレートの視認性を妨げてしまう取り付けが挙げられます。封印や番号の一部がカメラやステーにより隠れると、車両識別が困難になるため不適合と判断されます。
また、外側突起物基準においても、カメラユニットが車体から過度に突出していると安全上問題があるとみなされる点に注意が必要です。配線や固定方法の不備でも「脱落のおそれ」と判断されるため、見た目以上に細かな部分まで基準が適用されることを理解しておく必要があります。
バックカメラが車検に通らない主な理由
バックカメラの不適合は装置そのものよりも“取り付け方”に起因することがほとんどです。保安基準では、車体後部の安全性や識別性を損なう取り付けを厳しく制限しており、わずかな干渉でも不合格となる場合があります。ここでは、車検の現場で実際に指摘されやすいのかを具体的に解説します。
ナンバープレートの視認性を妨げている
バックカメラの配置がナンバープレートの視認を妨げているケースはよくある指摘です。カメラ本体やステーが数字の一部にかかってしまったり、封印を隠してしまったりすると識別性が損なわれ、車検では不適合と判断されます。
また、夜間にLED補助灯と干渉して光が乱反射し、文字が見えにくくなる取り付けも注意が必要です。ナンバーまわりは少しの角度ズレでも影響が出るため、ユニットの形状やステーの固定位置を細かく調整する必要があります。
出典:国土交通省『~ナンバープレートを見やすく表示しましょう~』
外側突起物として基準に抵触している
カメラユニットが車体から突出し過ぎている場合、外側突起物として保安基準に抵触する可能性があるため注意が必要です。特に後付けのバックカメラで起こりやすく、角ばったステーや厚みのあるユニットが後方へ張り出していると、歩行者接触時の安全性を損なうと判断されることがあります。
さらに、尖った形状や角度の付いたパーツは基準で禁止されている「鋭利な突起」とみなされる場合もあり、純正風の収まりを意識した取り付けが求められます。
出典:国土交通省『突起物規制』
配線・固定方法が不適切
バックカメラの配線処理が不十分な場合も、車検で指摘されやすいポイントです。例えば以下のケースがよくある指摘項目です。
- トランク可動部で配線がぶら下がっている
- ビニールテープで仮止めしたままになっている
- 結束バンドが緩んで車体から離れてしまっている
これらは「脱落のおそれがある」と判断され、車検に通らない原因になります。走行中の振動に耐えられるよう固定し、可動部に負荷が集中しないよう余長や保護チューブを適切に設けることが重要です。
カメラユニットのサイズ・角度不良
カメラユニットそのものの大きさや取り付け角度が不適切な場合も、車検に通らない要因となります。特に無理に後付けしたケースでは、ナンバーや灯火類に干渉しやすく、保安基準に抵触する可能性があります。
また、角度が上向き・下向きに極端な状態だと後方確認性能に問題があると判断されるケースも、よくある指摘項目です。小型で調整幅の広いカメラを選び、車体との一体感を損なわない取り付けが求められます。
車検に通るバックカメラの正しい取り付け位置
バックカメラが車検に適合するかどうかは、取り付け位置とその処理の丁寧さによって左右されます。特にナンバー周りやバンパーは規制が細かく、わずかな干渉でも不適合と判断されることがあります。ここでは、車種や構造に合わせた適切な取り付け位置と注意点を整理し、安全性と視認性を両立するための基準を具体的に解説しました。
ナンバープレート周辺に設置する際の注意点
ナンバープレート付近にバックカメラを取り付ける場合、重要なのは封印や番号の視認を一切妨げない位置に設置することです。プレートの上部中央に取り付けるケースが多いものの、わずかなステーの角度で数字の縁にかかってしまう場合があるため、事前の確認が不可欠です。
また、封印を覆う形での設置は明確に保安基準違反となり、車検不適合となります。カメラユニットは極力小型を選び、プレート照明の光を乱反射させない位置と角度に調整することがポイントです。
出典:国土交通省『~ナンバープレートを見やすく表示しましょう~』
バンパー・ガーニッシュへの取り付けポイント
バンパーやリアガーニッシュへの取り付けは、車体との一体感が出しやすく、純正風の仕上がりになるため、車検でも指摘されにくい方法です。多くの車種はバックドア上部のガーニッシュ中央、またはバンパー上縁に設置するのが一般的で、視野角を確保しながら突出量を抑えられます。
純正カメラ位置を模した取り付けは安全性・視認性ともに安定し、走行中の振動にも強いのが特徴です。専用ステーを利用すると固定強度が確保しやすく、保安基準を満たしやすくなります。
リアゲート付近の適切な設置方法
ハッチバックやワゴンタイプの車両では、リアゲート上部への取り付けが自然で車検適合性も高くなります。ゲート中央のエンブレム付近やオーナメント下は視界が確保しやすく、ナンバーや灯火類にも干渉しにくいのが利点です。また、ゲート開閉時の配線可動部に注意し、断線防止のため余長と保護チューブを適切に配置することが重要です。
位置決めの際には後方死角が少ない角度を試し、車体との段差が目立たない位置に収めることで安全性と美観の両立が可能になります。
後付けカメラの選び方のポイント
後付けバックカメラを選ぶ際は、まず小型かつ角度調整が容易なユニットを選ぶことが車検対策として有効です。大きな筐体は突出量が増えやすく、保安基準に抵触するリスクが高まります。
また、配線方法がシンプルで車種別の取り回しに対応した長さがあるかも、後付けバックカメラを選ぶ際の重要なチェックポイントです。さらに防水・防塵性能は耐久性に直結するため、IP規格(Ingress Protection)」の数値が高いモデルを選ぶのが望ましいといえます。これらの要素を満たす製品を選ぶことで、安全性と適法性を両立した取り付けが実現しやすくなります。
よくある取り付けミスとその改善策
バックカメラは便利な装備ですが、取り付け方法を誤ると視界不良や脱落リスクを招き、車検で不適合となるだけでなく、走行時の安全性にも影響します。DIY取付が普及したことで、細かな施工ミスが原因のトラブルも増えており、基準を満たすためには、確実な調整や固定が不可欠です。ここでは、特に発生しやすいミスと具体的な改善策を解説します。
カメラの角度調整不足
カメラ角度の調整不足は、後方確認範囲の欠落につながり、車検官から「視界が適切に確保されていない」と判断されることがあります。
下向きすぎると直下の距離感がつかみにくくなり、逆に上向きすぎると死角が増え、後退時の安全性が損なわれます。改善策としては、車両後端から1〜2mの位置を基準に映像を確認しつつ、水平〜やや下向きになるよう微調整することが重要です。また、固定後も振動で角度が変わりやすいため、固定具の締め付けを確実に実施する必要があります。
配線処理の不備
配線処理の不備は、車検不適合だけでなく長期使用での断線や映像トラブルの原因にもなります。特にトランクやリアゲートの可動部では、開閉により配線が引っ張られたり、折れ曲がったりして負荷が集中しやすいため注意が必要です。
改善策としては、余裕を持たせた余長の確保、保護チューブやスパイラルチューブの装着、可動範囲外への配線ルート取り回しが有効です。さらに、固定はテープ頼りにせず、車体クリップや専用ホルダーを使用することで耐久性が向上します。
ステーの強度不足
バックカメラを支えるステーの固定が弱いと、走行中の振動でカメラが揺れたり、脱落したりする可能性があります。特に薄い両面テープだけで固定したケースでは、温度変化や経年劣化により粘着力が低下し、不適合と判断されてしまいます。
改善策としては、金属製または専用設計のステーを利用し、ボルトやネジで確実に固定する方法がおすすめです。また、接触面に段差がある場合はスペーサーで面を合わせ、ユニット全体がガタつかないよう調整することで、車検に通りやすくなります。
バックカメラ取り付けに関する保安基準
バックカメラの取り付けは、道路運送車両の保安基準に適合していなければ車検に通りません。特に突起物基準やナンバープレートの視認性、灯火類との干渉などは細かく規定されており、後付けのバックカメラは知らずに基準を満たさない状態になりがちです。ここでは、取り付け時に必ず押さえておきたい基準を整理し、安全かつ適法な設置を実現するためのポイントを解説します。
道路運送車両の保安基準で定められる「突起物基準」について
突起物基準では、歩行者保護の観点から車体外側に鋭利な部分や過度に突出した装置を設けることが禁止されています。具体的には、外側への突起は曲率半径が2.5mm以上であることが条件です。
ただし、曲面処理がされている場合や、平滑で丸みのあるユニット形状であれば例外的に認められることもあります。後付けバックカメラはステーで突出量が増えがちなため、ユニットサイズと取り付け角度を適切に調整し、突出を最小限に抑えることが重要です。
出典:国土交通省『突起物規制』
ナンバープレートの表示義務と禁止事項
ナンバープレートは車両識別に不可欠であるため、番号や封印の一部でも隠れてしまう取り付けは保安基準違反となります。特に上部中央への取り付けで数字の縁にカメラがかかったり、ステーが封印に触れていたりするだけでも不適合と判断される場合があります。
さらに、夜間にプレート灯の光がカメラやステーに当たって文字の可読性を損なう配置も注意が必要です。バックカメラをナンバー付近に取り付ける際は、すべての表示が明瞭に確認できる位置であることを事前に確認し、光の反射も含めた視認性を確保する必要があります。
出典:国土交通省『~ナンバープレートを見やすく表示しましょう~』
その他気をつけるべき関連基準
バックカメラの取り付け位置によっては、灯火類やリアワイパーの動作に干渉し、保安基準に抵触することがあります。特にハイマウントストップランプやリアフォグランプの近くでは、カメラが光を遮ったり誤作動を招いたりする可能性があるため注意が必要です。
また、リアワイパーの可動範囲にカメラが入っていると、ワイパー動作を妨げるだけでなく、ワイパーアーム接触によるカメラ破損のリスクもあります。取り付け時には車体構造や可動部の動きを総合的に確認し、車両本来の機能を損なわない設置が求められます。
車検対策として有効なバックカメラの選び方
車検に確実に通るためには、取り付け方法だけでなく、使用するカメラそのものの性能や形状も重要です。特に後付けのバックカメラは製品ごとに大きさや視野角が異なり、選び方を誤ると突起物基準や視認性に影響することがあります。ここでは、車検適合性の高いカメラを選ぶ際のポイントを整理し、安全性・使いやすさ・耐久性をバランスよく満たすための基準を解説します。
車検に強いカメラの特徴
車検に適合しやすいカメラは、まずユニットが小型で、車体からの突出量を抑えられる設計であることが重要です。さらに視野角が十分に広く、後退時に死角が生まれにくいモデルを選ぶことで車検に通りやすくなります。
耐久性も見逃せないポイントで、防水・防塵性能が高い製品は長期使用でも劣化が少なく、固定箇所が緩むリスクも低減するのが特徴です。また、車種別の純正位置に自然に収まる互換性の高いタイプは外観を損なわず、保安基準にも適合しやすくなります。
取り付け時にプロへ依頼すべきケース
バックカメラはDIYでも取り付け可能ですが、車種によっては配線ルートが複雑だったり、リアゲート可動部の処理が難しかったりする場合があります。特にナンバー周辺は基準が細かく、わずかなズレで視認性を損なうため、プロの技術が必要なケースも少なくありません。
また、車両周囲の映像を統合的に扱うシステムを検討している場合は、専門的な知識を持つ業者に相談するのが安心です。例えば弊社の「iBOX2.0」のような高度な周辺監視プラットフォームを活用する際は、ホワイトペーパーを参照することで正しい活用イメージや導入のポイントを把握できます。DIYで迷うよりも、確実な取り付けをすることで、車検適合性と安全性の双方が確保可能です。
無料資料:カメラ機能拡張ユニット「iBOX2.0」ホワイトペーパーダウンロード
まとめ ―正しい取り付けでバックカメラは問題なく車検に通る
バックカメラは適切に取り付けられていれば車検で不適合となることはほとんどありません。しかし、ナンバープレートの視認性、突起物基準、配線処理など細かな基準に抵触すると不合格になる可能性があります。
ユニットの選び方や固定方法を正しく押さえ、必要に応じてプロに取り付けを依頼することで、安全性と適法性を両立できます。また、より高度なバックビューや周囲監視を検討する場合は、「iBOX2.0」のホワイトペーパーをご覧ください。確実な取り付けと正しい知識によって、バックカメラは車検でも安心して利用できます。

