物流・運送業において、トラックバースは、荷役作業を効率的に行うために欠かせない設備です。
一方で、多数の車両や作業員が行き交うことから、後退(バック)時や荷役中の接触事故が発生しやすい場所でもあります。国土交通省による後退時車両直後確認装置(バックカメラなど)の義務化が進むなか、施設側と車両側の双方で安全対策を強化することが重要になっています。
この記事では、トラックバースの役割や導入の利点・問題点を整理するとともに、事故を防ぐための安全対策や、AIカメラ・通信型ドライブレコーダー(以下、通信型ドラレコ)を活用した安全管理の方法について解説します。
出典:国土交通省『車両後退時の事故防止のための国際基準を導入します』
トラックバースの役割と導入メリット
トラックバースとは、倉庫や物流センターでトラックを接車し、荷物の積み下ろしを行うための専用スペースのことです。トラックの荷台と施設の床面の高さを合わせることで、フォークリフトや台車をスムーズに乗り入れられ、荷役作業の効率化や物流業務の生産性向上に貢献します。
また、屋根やドックシェルター(※)を備えたバースでは、雨や雪などの天候の影響を受けにくく、外気の侵入も抑えられるため、食品や医薬品など温度管理が求められる荷物も品質を維持しながら取り扱いやすくなります。このように、荷役作業の効率化や作業負担の軽減につながることから、多くの物流施設で導入されており、物流インフラを支える重要な設備となっています。
一方で、トラックの後退による接車が必要であり、フォークリフトや作業員が同じエリアで作業する環境でもあるため、接触事故などが発生しやすい場所でもあります。そのため、効率性を高めるだけでなく、適切なルールづくりや安全設備の導入によって事故を防止することが重要です。
※ドックシェルターとは、トラックと建物の隙間を覆う設備のこと。
トラックバースにおける問題点と事故リスク
トラックバースは荷役作業を効率化できる一方で、接触事故や設備の破損が発生しやすい場所でもあります。小さな確認漏れや慣れによる油断が重大な労働災害につながることもあるため、現場に潜むリスクを把握し、適切な安全対策を講じることが重要です。
後退時の死角による接触事故
トラックがバースへ接車する際は、後退による運転操作が必要になります。特に大型トラックやトレーラーでは、車両後方に運転席のミラーや目視だけでは確認しきれない死角が生じます。
この死角に作業員やフォークリフト、ほかの車両がいることに気付かないまま後退すると、接触事故や、トラックとプラットホームの間に人が挟まれる重大事故につながるおそれがあります。
荷待ち・バース不足による安全リスク
特定の時間帯にトラックが集中すると、バース不足によって長時間の荷待ちが発生することがあります。荷待ち時間の削減は、物流業界の2024年問題への対応においても重要な課題の一つです。
長時間の待機によるドライバーの疲労や、敷地内の渋滞による焦りは、注意力や集中力の低下につながる場合があります。その結果、後方確認が不十分なまま接車を行い、バック時の接触事故を招くリスクが高まります。
荷役作業中のフォークリフト事故
バース周辺では、荷物の積み下ろしのためにフォークリフトが頻繁に走行します。荷物を高く積載した状態では前方の視界が遮られやすく、歩行者やほかの車両との接触事故が発生するおそれがあります。
特に、荷役作業とトラックの出入りが重なる時間帯は、車両や人の動きが集中します。そのため、フォークリフトと歩行者の動線を分離したり、走行ルールを明確化したりするなど、安全管理を徹底することが重要です。
ヒューマンエラーによる安全確認漏れ
後退時の誘導員の配置や、ドライバーが車両を降りて後方を確認する「降車確認」、作業員同士の声掛けは、事故防止の基本的な対策です。しかし、人手不足や繁忙時には、こうした基本ルールを十分に徹底できない場合があります。
また、夜間や悪天候時、複数台のトラックが同時に出入りする状況では、視認性の低下や作業の錯綜により、人の注意だけでは危険を見落とす可能性があります。そのため、人だけの注意に頼るのではなく、施設設備や運用ルール、安全支援機器を組み合わせた対策が必要です。
トラックバースでの事故を防ぐ!施設とルールの安全対策
トラックバースでの事故を防ぐには、ドライバーの注意だけに頼るのではなく、施設側の設備を整えること(ハード面)と、作業ルールを徹底すること(ソフト面)の両面から対策を講じることが重要です。
施設側の設備対策
施設側で実施できる主な設備対策は以下のとおりです。
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対策 |
内容 |
| 車止め・D型ゴムバンパー | トラックの過度な接触による車両や建物の破損を防ぐ |
| カーブミラー | 死角を補い、構内の見通しを確保する |
| 照明・ガイドライン | 夜間や暗所での視認性を高め、安全な接車を支援する |
これらの設備は、それぞれ単独でも効果がありますが、複数を組み合わせることでより安全な荷役環境を構築できます。施設のレイアウトや交通動線に合わせて配置を見直すことも重要です。
車両誘導ルールの徹底と作業員の安全教育
設備に加え、現場でのルールづくりと教育も事故防止には欠かせません。
| 対策 | 内容 |
| バック時のルール徹底 | 誘導員の配置や降車確認など、安全手順を標準化する |
| 合図の統一 | 手信号や声掛けを統一し、ドライバーと作業員の認識を合わせる |
| 定期的な安全教育 | ヒヤリハット事例を共有し、安全意識を維持・向上させる |
ルールを定めるだけでは十分ではありません。定期的な教育や振り返りを実施し、現場全体で継続的に安全意識を高めることが、事故の未然防止につながります。
AIによる接触事故防止と運行管理を同時に実現する安全対策
前述のような設備や運用ルールを整備しても、人の疲労や思い込みによる確認漏れを完全に防ぐことは困難です。トラックバースで発生する事故を減らすためには、後退時の危険を検知・警告する仕組みと、ヒヤリハットを継続的に分析・改善する仕組みの両方が重要になります。
東海クラリオンでは、AIによる後退時の安全支援と、通信型ドライブレコーダーを活用した運行・安全管理を組み合わせることで、現場の事故防止と継続的な安全管理を支援しています。
既存のバックカメラにAI検知・警告機能を追加する『iBOX2.0』
『iBOX2.0』は、車両に装着済みのバックカメラとモニターの間に後付けすることで、AIによる人物・車両検知機能を追加できる拡張ユニットです。
後退時には、バックカメラの映像をAIが解析し、死角にいる歩行者や車両などを検知します。危険を検知すると、モニター上の赤枠表示と警告音でドライバーへ知らせるため、後方確認を支援し、バースへの接車時における接触事故の防止に役立ちます。
▼『iBOX2.0』の詳細・資料ダウンロードはこちら
https://www.tokai-clarion.co.jp/products/ibox
https://www.tokai-clarion.co.jp/useful/whitepaper/ibox2
クラウドで危険を可視化する『TX2100』
通信型ドライブレコーダー『TX2100』を組み合わせることで、急バックや急ブレーキなどの危険挙動や、ヒヤリハット発生時の映像をクラウド上で一元管理できます。
管理者は遠隔地からでも映像や走行状況を確認できるため、現場での事故防止に加え、危険運転の傾向分析や個別指導など、安全管理にも活用できます。事故発生後の確認だけでなく、ヒヤリハットを継続的に分析・改善することで、トラックバース全体の安全性向上につなげることが可能です。
▼『TX2100』の詳細・資料ダウンロードはこちら
https://www.tokai-clarion.co.jp/products/driverecorder
https://www.tokai-clarion.co.jp/useful/whitepaper/tx2100
まとめ
この記事では、トラックバースにおける事故防止と安全対策について以下の内容を解説しました。
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トラックバースの役割と導入メリット
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トラックバースにおける問題点と事故リスク
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トラックバースでの事故を防ぐ!施設とルールの安全対策
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AIによる接触事故防止と運行管理を同時に実現する安全対策
トラックバースは、荷役作業の効率化や物流業務の生産性向上に欠かせない設備です。一方で、後退時の死角やフォークリフトとの交錯、ヒューマンエラーなどにより、重大な事故が発生するリスクもあります。
事故を防ぐためには、車止めや照明、カーブミラーなどの設備対策に加え、誘導や降車確認、安全教育といった運用ルールを継続的に徹底することが重要です。しかし、人の注意だけではすべてのリスクを防ぐことは難しいため、AIカメラや通信型ドラレコなどの安全支援機器を組み合わせた対策も有効です。
東海クラリオンの『iBOX2.0』は、AIによる後退時の危険検知によって接触事故の防止を支援し、『TX2100』はヒヤリハットや危険運転を可視化することで、安全教育や運行管理の改善に役立ちます。
トラックバースの安全性を高めるためには、設備・運用ルール・テクノロジーを組み合わせた総合的な安全対策を進めることが重要です。現場の状況に応じた対策を取り入れ、安全で効率的な物流環境の実現を目指しましょう。
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