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フォークリフトの安全対策とは?事故原因と効果的な対策・導入事例を解説

東海クラリオン株式会社

東海クラリオン株式会社

倉庫や工場などの荷役作業には、重量物を効率よく作業を進めるフォークリフトが欠かせません。しかし、フォークリフトは便利な機械である一方で、事故の発生件数も多く、重大な災害を防ぐためには徹底した安全対策の実施が不可欠です。

本記事では、フォークリフトによる事故の発生事由や具体的な安全対策、安全設備の導入によって事故発生率を低減させた事例まで詳しく紹介します。

監修者コメント

フォークリフト事故を減らす基本は、歩車分離や整理整頓など、人とフォークリフトが接触しにくい環境づくりです。教育やルールは、守れる作業計画とセットでなければ定着しません。AIカメラなどの安全設備は死角を補う有効な手段ですが、頼りすぎると確認がおろそかになります。環境づくりを基本に、設備・教育・ルールを組み合わせて、人の注意だけに頼らない仕組みにしてください。

フォークリフトで起こりやすい4つの事故

厚生労働省では、労働災害の発生状況を統計データとして公表しています。令和7年のフォークリフト事故の発生件数を見ると、その多くが「挟まれ・巻き込まれ」「激突され」「墜落・転落」「転倒」の4つに起因していることが分かります。

参照元:厚生労働省「職場のあんぜんサイト 労働災害統計」

1.挟まれ・巻き込まれ事故

フォークリフトを運転時にマストやヘッドガードと車体の間に体や頭が挟まれる事故や壁や荷物との間に巻き込まれる事故が起きています。

特に多いのは、運転席から身を乗り出した際に誤ってレバーに接触して挟まれるケース、立ち上がって操作を行ったことでマストやフォークに巻き込まれるケースなどが挙げられます。

また、運転者自身だけではなく、周囲の作業員を巻き込む事故も発生も少なくありません。積載荷物で前が見えず、進路にいた人を巻き込んでしまうケースや曲がり角を走行する際に付近の作業員を壁との間に挟み込んでしまうケースなども見られます。

令和7年の挟まれ・巻き込まれ事故の発生件数は564件にも達しています。

2.激突され事故

フォークリフトによって激突される事故も令和7年に598件発生しています。

多いのは、積載物によって前方が見えない状況で発進し、進路上の人や物に衝突するケースです。また、減速しないままコーナーを曲がることで生じる出会い頭の衝突事故、バック走行時に後方の安全確認を怠ったために作業員や他車両と衝突する事故なども多発しています。

特に狭い通路ですれ違いが発生する場合や車両が行き交う倉庫内の交差点などで発生しやすい事故です。

3.墜落・転落事故

高い場所や段差などから、フォークリフトごと転落する事故や作業員が墜落する事故も令和7年に246件発生しています。

墜落・転落事故が発生しやすいのは、トラックの荷台やプラットフォーム上での作業中です。バックの際に段差に気が付かず、後輪を踏み外すことで車両ごと転落する事例が多数発生しています。また、積み上げたパレットの上に乗って作業をするなど、不適切な状態で高所作業をしている際にパレットが傾き、作業員が墜落するというケースも見られます。

4.車両の転倒事故

フォークリフトが前や横に倒れる転倒事故も発生しています。令和7年の発生件数は48件です。

車両転倒の多くは、速度の超過や急旋回、過積載に起因します。フォークリフトは前輪よりも前に荷物を載せる設計であり、車高も高いことから重心位置が高く、乗用車などに比べて転倒しやすい構造です。そのような状態でスピードを出したまま急旋回をしたり、急発進・急停止を行うと、遠心力などによってバランスを失い、転倒事故につながります。

また、制限以上の重さの荷物を積んだまま走行すると、重心がより前方に移動して後輪が浮き上がり、前方に転倒するケースもあります。

フォークリフト事故が起きる3つの原因

東海クラリオン9月分2-3

フォークリフトに関連する事故は、単一の原因で起きるのではなく複数の要因が連鎖することで発生するケースがほとんどです。ここでは「人的要因」「機械的要因」「環境的要因」に分けて、事故原因を解説します。

1.焦りや慣れによる安全確認不足

「時間までに作業を終わらせなければならない」といった時間に対する焦りや「この時間であればいつも人はいないから大丈夫だろう」といった作業への慣れや慢心は、安全確認不足を引き起こし、事故を誘発します。

このような事故を減らすためには、作業時間に予備時間を組み込み、フォークリフトの処理能力を踏まえた無理のない計画の策定が必要です。また、作業員自身が正しい操作手順を遵守し、作業の心得に則って安全確認を徹底することも欠かせません。

2.点検・整備不足による車両トラブル

フォークリフトの点検や整備不足は、車両の暴走や荷物の落下などの重大事故に直結します。特に、ブレーキオイルの漏れやパッドの摩耗は、ブレーキ制御を不能にし、衝突事故を招きます。また、油圧システムやリフトチェーンの不具合は、フォークの落下による事故につながります。そのほか、タイヤの摩耗や空気圧不足、安全スイッチの故障、回転灯の球切れなども転倒や巻き込み事故の原因となります。

整備不足による事故を防ぐためには、作業開始前の日常点検はもちろん、法律によって義務付けられている毎月の定期自主検査と年1回の特定自主検査を確実に実施しなければなりません。

3.歩車混在や整理整頓不足

フォークリフトを動かす現場の環境も、事故の発生に深く関係します。フォークリフトの走行ルートと作業員が歩くルートが区分されていない歩車混在の状況は、最も事故リスクが高い危険な状態です。

フォークリフトは前方に荷物を積むため死角が多く、歩車混在の現場では、作業員とフォークリフトの衝突が発生しやすくなります。また、フォークリフトがバックする際に後方にいる作業員を巻き込んだり、荷崩れが起きた際に周囲の作業員を巻き添えにするケースもあります。

加えて、通路や作業場の整理整頓不足は通路を狭くし、見通しを悪くします。また、床に置かれた障害物は車両の転倒や荷崩れなどを誘発するおそれもあります。

必要な物の置き場所を決め、安全な通路を確保するとともに、歩車分離を徹底することはフォークリフト事故を防ぐうえで重要な対策です。

フォークリフトの4つの安全対策|費用対効果もあわせて解説

東海クラリオン9月分2-2

フォークリフト作業の安全対策は、「作業環境」「教育」「ルール」「設備」の4つの観点に分類できます。本章では、それぞれの安全対策のメリットや費用対効果について、比較しながら解説します。

1.点検・5S・歩車分離で作業環境を整える

車両の点検・整備不足も事故原因の一つです。始業前点検を作業スケジュールに組み込み、フォークリフトを時計回りで一周することで点検が終わる手順に固定すると、作業がルーティン化し、見落としのない確実な点検を継続しやすくなります。

また、5S(整理・整頓・清掃・清潔・習慣化)を徹底して通路を広く確保し、障害物や死角をなくす対策やラインテープなどによってフォークリフトと歩行者のルートを区分する「歩車分離」も重要な施策です。

これらの対策を実施する際には、資材などの購入費用やレイアウトの変更といった手間が発生します。しかし、危険な動線や環境そのものを改善できる点では大きな安全効果を生み出します。また、一度仕組みを整えれば長期的に安全効果を発揮しやすい点からも、重点的に取り組むべき対策であるといえるでしょう。

2.安全教育・KYTを継続する

作業員の教育も事故の抑制に欠かせない対策です。危険な状況を予測する「KYT(危険予知トレーニング)の実施」やフォークリフトによる「ヒヤリハットの共有」は、作業員の感受性を高め、安全対策に対する意識を高めます。また、作業への慣れによって忘れがちになる基本行動や安全意識を再認識させるために、「焦らずに まずは声出し 指さして 今日も安全 締まっていこう」などといった安全標語を掲示することも効果的です。

ただし、教育を実施するには、教育計画の立案や資料作成といった管理者側の工数、教育時間の確保といった負担が発生します。継続的に実施するうえでは、作業前の朝礼を活用するなど、負担の少ない仕組みを作り出す必要があるでしょう。

3.安全ルールを整備・徹底する

フォークリフトの事故を防ぐためには、現場における安全ルールを徹底しなければなりません。具体的には「保護帽・安全靴などの保護具やシートベルトの着用」「作業場内での制限速度の遵守」「交差点や曲がり角での一時停止の徹底」「乗車時、走行時、停車時の目視と指差し呼称による周囲確認」といった基本的な作業心得の実行です。

安全ルールの整備と徹底は、特別な機器や設備を導入する必要がないため、設備投資をせずに始められる点がメリットです。ただし、一時停止や指差し呼称などを確実に実行すれば、その分作業時間は長くなります。ルールを守った作業時間を前提に作業量や人員配置、納期を見直さなければ、「守っていては仕事が終わらない」状況が生まれ、ルールは形骸化してしまいます。

ルールを定着させるには、作業開始前の声掛けや定期的な巡回による周知・浸透に加え、ルールを守っても無理なく終えられる作業計画の整備が欠かせません。

4.AIカメラや接近検知などの安全設備を活用する

作業員の安全教育の徹底や環境の整備による安全対策も一定の効果を得られる施策です。しかし、人の注意力には限界があり、より安全性を高めるためには最新の技術を活用した安全設備の導入を検討するとよいでしょう。

AIカメラは、映像から人を自動的に認識し、人が接近した際にフォークリフトの運転者と歩行者の双方に音や光で注意を促すシステムです。また、作業員が装着しているICタグを検知し、一定距離に近づいた場合に音などで警告し、事故を予防するシステムもあります。

デジタル設備の導入にあたっては、初期費用やランニングコストが発生します。また、機器のメンテナンスやトラブル対応、現場での運用管理、データ分析といった業務も発生するため、管理者側の負担は増える可能性があります。しかし、人の目では確認しにくい死角や集中力の欠如などによって生じる危険をシステムが補完できるため、人の注意力だけに頼る対策に比べて高い事故防止効果が期待できます。

ただし、「警報が鳴るから大丈夫」と安全設備に頼りすぎると、運転者や歩行者自身の確認がおろそかになるおそれがあります。安全設備はあくまで目視確認や歩車分離を補うものと位置づけ、基本の安全行動とあわせて活用することが大切です。

フォークリフトの安全対策事例

最後に、フォークリフトの前後左右360°をモニターに映し出すことで死角を減らし、安全性を向上させるカメラシステムの導入によって、フォークリフトによる事故を低減させた事例を紹介します。

360°カメラの導入で年間4~5件の物損事故が0件に

愛知王子紙業株式会社様は、包装に用いる用紙の生産・仕入・販売などを行うグループ会社の工場において、構内作業を担っている企業です。検品が終わった製品や古紙の荷役作業にフォークリフトを利用されています。

工場内では重機と作業者が混在している環境であり、年間4~5件ほどの物損事故が発生していたことから、安全対策の強化を目的に360°安全確認カメラ「3DAVM」をご導入いただきました。

3DAVMは、最大4つのカメラで全方位を常時監視するシステムです。実際に利用してみると「乗用車に近い感覚でモニターを確認できるため、すぐに使いこなせるようになった」との声をいただいています。また、バック時だけでなく常に周囲360°の状況を確認でき、安全性が大幅に向上したことにより、3DAVM導入後、同社の物損事故は1件も発生していないとのことです。

現在、フォークリフト操作時の安全対策システムには、360°カメラによる映像での確認に加え、死角にいる人を瞬時に感知して音と光で警告を発するAIによる歩行者検知機能も搭載されています。

デジタル技術の発展によって進化を続ける安全対策システムを上手に活用していけば、今後ますますフォークリフトに関連する事故を抑制することが可能です。

※本事例は1社における結果であり、カメラ以外の要因(同時期に実施した他の安全対策など)の影響も含まれる可能性があります。

フォークリフトの安全対策は現場に合わせた組み合わせが重要

フォークリフトの事故は、焦りや慣れといった人的要因、整備不足などによる機械的要因、歩車混在や整理整頓不足といった環境的要因の3つが重なりあって発生します。事故を防止するうえでは、作業環境の整備を基本とし、作業員の教育、安全ルールの徹底を組み合わせることが有効です。

しかし、フォークリフトの作業は死角が発生しやすいため、人の注意力だけに頼った対策には限界があり、事故の発生リスクを最小限に抑えるためには、AIカメラなどの安全設備を組み合わせることが重要になります。

東海クラリオンでは、AIを活用した最新の安全システムを取り扱っています。使用環境に合わせて検知範囲を柔軟にカスタマイズできるため、過剰な検知に伴う警告ストレスを軽減することも可能です。現場に合わせた安全対策の実施を検討される際には、ぜひ東海クラリオンにご相談ください。

AIカメラを活用した最新の安全システムはこちらからご確認いただけます。

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執筆者:東海クラリオン株式会社

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