トラックや営業車など、業務用車両における居眠り運転は、ブレーキ操作が行われないまま衝突に至りやすく、重大な事故を引き起こす要因です。長時間の運転や疲労の蓄積が生じやすい物流・運送・建設業界において、企業はドライバーを守り、事故を未然に防ぐための対策を講じる必要があります。
この記事では、居眠り運転が発生する主な原因や、企業が実践すべき安全教育、AIドライブレコーダーを活用した防止策を解説します。
居眠り運転の危険性と法人に求められる安全管理体制
居眠り運転は、危険に気づいてからの回避行動が行われないケースが多く、死亡事故などの被害に直結しやすいという特徴があります。
企業には従業員の安全を守る「安全配慮義務」があり、重大事故が発生すれば企業の社会的信用の失墜や損害賠償といった経営リスクが生じます。
睡眠不足・疲労蓄積が引き起こす交通事故の実態
国土交通省の資料によると、居眠り運転が原因となる事故は交通事故全体の0.4%にとどまる一方で、死亡事故・重傷事故の割合は居眠り運転以外の事故と比べて高い傾向にあります。
▼居眠り運転が人的要因による交通事故で締める割合
画像引用元:国土交通省中部運輸局『居眠り運転等の防止』
▼居眠り運転と居眠り運転以外の被害程度の割合
画像引用元:国土交通省中部運輸局『居眠り運転等の防止』
特に長時間労働になりがちな運送業や建設業では、過労や睡眠不足による注意力・判断力の低下が事故の直接的な引き金となることが多いのが実情です。事故を防ぐためには、人間の注意だけに頼らず、システムによる早期の検知や警報を取り入れた対策が求められます。
出典:国土交通省中部運輸局『居眠り運転等の防止』
法規制の強化と安全運転管理者の役割
働き方改革関連法の施行や改善基準告示の改正に伴い、ドライバーの労働時間管理や休息期間(勤務間インターバル)の確保が厳格に求められています。
安全運転管理者は、日々の点呼での健康状態の確認や、適切な運行計画の策定を通じて、居眠り運転のリスクを組織的に排除する重要な役割を担っています。
居眠り運転が発生しやすい状況とヒューマンエラーの限界
居眠り運転は気をつけていれば防げるというものではなく、生理的な睡眠欲求や特定の走行環境が複雑に絡み合って発生します。事故を防ぐためには、どのような状況で眠気が起こりやすいのかをドライバー自身と管理者が深く理解しておく必要があります。
単調な道路環境と時間帯による影響
高速道路や直線のバイパスなど、変化の乏しい単調な道路を長時間走行していると、脳の覚醒度が下がり眠気を催しやすくなります。
また、人間の体内時計(サーカディアンリズム)により、深夜から早朝にかけてや、昼食後の午後の時間帯は特に居眠りのリスクが高まるといわれています。
ドライバーの「自己申告」や「気合い」に頼る対策の限界
「少し眠いけれど、あと少しで到着するから大丈夫」というドライバーの過信や焦りが、居眠り運転による事故を招く要因です。
こまめな休憩や車内換気、カフェイン摂取などは一時的な対策にはなるものの、人間の意志だけに頼る安全管理には限界があります。生理現象である眠気をヒューマンエラーの範疇だけで制御しようとすること自体に、リスクが潜んでいます。
企業が取り組むべき安全教育と運行管理の改善
居眠り運転を防ぐためには、システムによる補助だけでなく、日々の運行管理とドライバーへの安全教育を徹底することが基盤となります。組織全体で「無理をさせない、無理をしない」安全第一の文化を醸成することが、長期的な事故防止につながります。
実効性のある安全運転講習の実施
定期的な安全教育の場で、居眠り運転のリスクや、睡眠時無呼吸症候群(SAS)などの健康起因によるリスクについて、専門知識やデータを基に共有することが重要です。
また、ドライブレコーダーが記録した実際の映像を用いた危険予知トレーニング(KYT)を実施し、自社や他企業のヒヤリハット事例に基づく実践的な指導を行うことが有効なアプローチとなります。
健康状態の把握と柔軟な運行計画の策定
乗務前点呼において、アルコールチェックだけでなく、前日の睡眠時間や蓄積した疲労感のヒアリングを念入りに行い、体調不良が見られる場合は乗務を控えるなどの適切な措置をとります。
また、ドライバーの負担が過度に集中しないよう、道路状況の混雑も想定した余裕のあるスケジュールや、定期的な休憩時間をあらかじめ組み込んだ現実的な運行計画を立案することが、企業側に求められています。
AI搭載ドライブレコーダー『CF-4000』を活用した高度な安全対策
人間の注意力や管理者の目だけでは防ぎきれない居眠り運転対策として、AIを活用した車載機器の導入が効果的です。
車載機器の専門商社である東海クラリオンが提供する4カメラ対応通信型AIドライブレコーダー『CF-4000』は、ドライバーの状態を常時監視し、事故を未然に防ぐ先進機能を備えています。
AIによる「居眠り・わき見」の高精度な検知とリアルタイム警告
『CF-4000』の車内向けカメラに搭載されたAIは、ドライバーの顔の向きや目の開閉状態を常時モニタリングします。これにより、居眠りやわき見運転、運転中のスマートフォン操作などを検知できます。
危険な状態を検知した際には、即座に車内で音声アラートを発してドライバーに直接注意を促します。意識の低下や注意散漫による事故を、リアルタイムの警報で未然に防ぐことが可能です。
クラウド通信機能による運行管理者との連携
本製品は通信機能を備えているため、AIが居眠りやわき見運転などの危険運転を検知した際、その情報と前後の映像データがクラウドを通じて運行管理者のもとへ通知されます。
管理者は遠隔地からでもドライバーの状況をリアルタイムで把握でき、必要に応じて直接連絡を入れて休憩の指示を出すなど、迅速かつ的確な安全管理が実現します。蓄積されたデータは、その後の個別教育や運行ルートの改善にも活用可能です。
まとめ
居眠り運転は、ドライバーの努力や従来の点呼管理だけでは完全に防ぐことが難しく、ひとたび事故が発生すれば企業への損害は計り知れません。適切な労働時間管理や健康リスクの排除といったソフト面の対策に加え、ドライバーのヒューマンエラーを物理的に補完するハード面(AIシステム等)の仕組みを導入することが求められます。
システムと日々の運行管理を組み合わせた多層的な安全対策を構築し、ドライバーの安全と企業の社会的信用を守る事故防止体制を実現することが重要です。東海クラリオンでは、AIドライブレコーダー『CF-4000』をはじめ、車両管理の課題解決に役立つ安全機器システムを提供しています。

